平成30年普及指導員資格試験審査課題 問24
問24
異常気象等の影響やそれに対するリスクマネジメントに関する次の記述のうち、最も不適切なものを選びなさい。
ア 農業を脅かす外部リスクとして、地球温暖化に伴う異常気象や燃油の高水準価格での推移等が挙げられており、これら外部リスクの軽減に向けた対策を推進する必要がある。
イ 気候変動の影響を受けにくい強靭で持続的な産地を確立するため、農林水産省では、気候変動適応策に計画的に取り組む体制をつくり、高温耐性品種等への転換、適用技術の導入等を進めている。
ウ 地球温暖化の進行等による地力の低下が指摘されている。課題としては、土壌のアルカリ等が挙げられており、対応策としては、土壌改良資材の投入を抑制することが推奨されている。
エ 地球温暖化の影響として、農作物等に高温障害等が顕在化している。うんしゅうみかんでは、平成28年の高温・多雨による浮き皮の発生が報告されている。
オ 平成30年に改定された「農業技術の基本方針」では、草地の高温・干ばつ対策として、過放牧や短い間隔での刈り取り等を避け、貯蔵養分の消耗を軽減する等草勢の維持に努めることが推奨されている。
正解 ウ
解説
土壌のアルカリ化自体は、過剰な石灰資材の投入が原因であり、
温暖化とは直接関係がありません。
よって、正解はウ。
因みに、「土壌改良資材の投入を抑制することが推奨されている。」
の部分の記載については、アルカリ化を避けたいのであれば石灰資材投入を抑制するべきですが、
地力を上げたいのであれば堆肥等の有機質資材を投入するべきです。
どちらも、「土壌改良資材」ですので、その部分の記述も不適切です。